sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

梟通信~量子超越性に突き進むGoogleの野望 @日経ビジネス

粛々と参りましょう、

表題副題は日経ビジネスのこちら(↓)から。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/061700004/121300243/?P=2&ST=smart
(日経ビジネス、「量子超越性に突き進むGoogleの野望」、2017/12/16)

冒頭に記されている記事の概要がこちら(↓)。
>> 「2017年12月下旬から『量子超越性』の実証を開始する」「量子コンピュータクラウドサービスを提供する計画だ」――。米Googleと米カリフォルニア大学サンタバーバラ校で量子コンピュータの開発を率いるJohn Martinis氏はそう力説する。量子コンピュータに注ぐGoogleの並々ならぬ野望を解き明かそう。

《コメント》
・ 記事中にある通り「量子超越性」というのは、計算能力において、ざっくりと量子コンピュータが既存のコンピュータより優るということを示すことであるが、それが示させるのは近々かもしれない、という話。

・ 果たしてそれが、誤り訂正なしに50quビット前後のゲート方式の素子で示せるのか? は、記事中にあるように、IBMGoogleとで見解が割れている。(だから、もしGoogleが実証試験に成功するようだと、コンピュータ史上の画期となるわけである)

・ また記事中にあるように、量子コンピュータが挑む当面の障壁は、「量子超越性の壁」と「有用性の壁」の二つであるが、これらは結局は、どういう問題を解くことに量子コンピュータが大きな優位性を示せるか? による。言い換えれば、計算量が指数関数的に爆発する「NP完全問題」や緩めの「NP問題」にどこまで迫れるか? となる。或いは、特化した問題として、超高速の「因数分解」で既存の暗号を破れるか?となる。(後者は特化型で応用範囲はかなり狭いが、安全保障や金融への影響は甚大である)

・・・

・ 個人的には、どちらかと言えば、量子コンピュータとは別方式の「量子アニーリングマシン」を興味深く眺めている。所謂、D-Waveマシンの流れである。

・ なぜか? と言えば、量子アニーリングマシンは、NP問題を「Isingモデル」に置き換えて解くというアプローチであり、そのために特化した実装であるが、同時に、人工知能の確率推論での「グラフィカルモデル」はIsingモデルを含み、一定の条件下(木構造の制限)の元でそれらは「等価」であるためである。つまり、Isingモデルが量子アニーリングマシンでもし容易に解けるとなると、(NP問題の解法に接近するだけでなく) 人工知能での確率推論能力が飛躍的に向上し得ると強く推測されるからである。

・ 高度な確率推論とは何だろうか? コンピュータが「連想」や「想起」の能力を得る・・問題の発見や設定である。今までヒトが与えていたものを自ら生み出すという《自律》の能力である。知能が何か?は定かでないが、連想や想起(閃き、Aha)、問題の発見や設定を知的、或いはヒト的とみなすなら、そうした機能を有する機械は、いよいよ知能を持つと形容するに相応しいと言えるでしょう。

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表題のゲート方式での「量子超越性」は、年央からちらほら取り上げられていたので、来年に起こり得るイベントのために、列挙しておきましょう。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/062900267/062900001/?ST=spleaf
(日経ITPro、「量子超越性、米IT大手が一番乗り競う」、2017/07/04)

https://www.technologyreview.jp/s/38991/googles-new-chip-is-a-stepping-stone-to-quantum-computing-supremacy/amp/
(MITテクノロジーレビュー、「グーグル、年内に量子超越性量子チップを実験へ」、2017/04/25)

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梟通信~本日公開のスター・ウォーズ/最後のジェダイ・・やられた(≧∇≦)b

まったりと楽しみながら参りましょう、

スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・やられた(≧∇≦)b

試写会での評判に、「帝国の逆襲」以来の面白さとあったので、であるなら2回は観に行くだろうということで、

一回目が3D/4Dxだと集中できないので2Dで観たが、前評判に違わず面白かった(*´∀`)

・・・

事前に粗筋をあれこれと想像したけれど、

まるで違った、やられた(≧∇≦)b

前回の「ジェダイの覚醒」(エピソードⅦ)でうっかりと重要なシーンのネタバレを観てしまって後悔したので、今回は極力、ネタバレは観ないようにしていたので、大正解(*´∀`)

おそらくは大方の事前の予想はことごとく外れているんじゃないかと思えるような意外な展開

レイだけは死なせないで欲しいと思っていたので、ホッと(*´∀`)

まさかあそこでああなるとは・・でもあそこでああなってしまうと次回作はどうなるんだろう(´・ω・`)

敵味方、登場人物が全滅しない限り話はエンドレスだが、(つまりシリーズは続けられるが)

上映作品としては、今回の「最後のジェダイ」かなり完結できていて、かなりの満足感(*´∀`)

幾つかの謎は残っているが、個人的には話がここで終わってもいいかなと。

であるだけに次回作を、どう構成してどう盛り上げるのか、制作側が大変そう(≧∇≦)b

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以下は事前の想像についてのメモ。

大きな謎が二つあって、それは、1)スノークは何者? 2)レイは何者? であった。

・・・

前者のスノークについては、

ザ・ワンズ(↓)のオリジンに相当する100万年前の最古の特殊能力を持つ《セレッシャル》と推測。

http://www.starwars.jp/wiki/ザ・ワン

セレッシャル(スノーク)とダース・シディアス(皇帝)が、広義の帝国を銀河系外と銀河系内(天の河銀河)で棲み分けていて、皇帝亡き後の天の河銀河にセレッシャル(スノーク)が進出。

そう考える理由は、デス・スターを2個破壊される経済的ダメージはあまりに大きく(↓)、

https://www.gizmodo.jp/amp/2015/12/sw2.html
(Gizmode、「経済学者は語る、デス・スター2つも破壊されたら銀河帝国は経済破綻する」、2015/12/14)

ざっくり銀河系のGGPが40垓ドルで、デス・スター2個の被害総額が8垓ドルで、

その負担を背負って帝国が「ファースト・オーダー」として、エンドア戦から高々1四半世紀で立ち直るのは無理(>_<)

セレッシャル(スノーク)が進出してくる動機は、経済的理由(帝国の買収)以外には、ルークが隠遁した惑星オク・トー(↓)のジェダイ最古の遺跡に、セレッシャルを倒せる秘密があるから。

http://ja.starwars.wikia.com/wiki/オク=トー

と、想像したのだが、全く違っていた(>_<)

スノークの謎は、(作品中で)本筋ではなかったようだ(´・ω・`)

・・・

後者のレイについては、上記ザ・ワンズの「ドーター」が転生していると想像。アナキン・スカイウォーカーと同様の処女受胎。

であるからただ者ではないし、歴代ジェダイを超越しているので、「最後のジェダイ」に相応しい(*´∀`)

事前のネタバレなしの話題で、アナ雪エルサ雪の女王の姉妹として魔力(白魔術系)を備えるし(↓)、

http://getnews.jp/archives/1961647/amp
(ガジェット通信、「スター・ウォーズレイとアナ雪エルサに共通点?!最後のジェダイ監督が明かす」)

更に、ザ・ワンズの「ドーター」とアナ雪エルサの共通点は、兄弟に刺されてしまうというところにあるから。

と、想像したのだが、全く違っていた(>_<)

レイの出生の謎は「最後のジェダイ」の作品中で、語られているようでもありないようでもあり・・謎は残る

・・・

最古のジェダイ寺院に眠る秘密を鍵に、光(レイ=ドーター=最後のジェダイ)と翳(スノーク=セレッシャル=最後のシス)の謎と存在が物語の対(つい)になるだろうと想像していたのだが、

どうも全く違った(≧∇≦)b

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梟通信~コペンハーゲン解釈のマックス・ボルン、生誕135周年 @Googleトップロゴ

まったりと参りましょう、

今日のGoogleトップロゴがマックス・ボルン(*´∀`)

http://www.googletop.info/?p=438902
(Googleトップロゴ、マックス・ボルン、生誕135周年、2017/12/11)

スターウォーズ/最後のジェダイの劇場公開を週末に控え、SFモード。

マックス・ボルンの「確率解釈」は、コペンハーゲン解釈として主流であるし、主流であり続けると思うけれど(私見)、

その確率解釈にも《新解釈》が現れていて、創作としてのSFでなく、現実の物理学の「SF化」の一端を垣間見ることができるので、生誕135年に際して記しておきましょう、

日経サイエンスから新解釈の一つとしての《Qビズム》がこちら(↓)。

http://www.nikkei-science.com/201307_054.html
(日経サイエンス、「量子の地平線~Qビズム、量子力学の新解釈」、2013年7月号)

どういうものか? と言えば、

>> 量子ベイズ主義(Qビズム)という最近発展したモデルは,量子論と確率論を結びつけることで,そうしたパラドックスを解消,あるいはより小さな問題にしようとする。Qビズムは量子的パラドックスの核心をなす「波動関数」を新たな概念でとらえ直す。

>> 一般に波動関数は粒子がある性質(例えばある特定の場所に存在すること)を示す確率を計算するために用いられるが,波動関数を実在とみなすと様々なパラドックスが生じてくる。

>> Qビズムによれば,波動関数は,対象の量子系がある特定の性質を示すはずだとの個人的な「信念の度合い」を観測者が割り当てるために用いる数学的な道具にすぎない。この考え方では,波動関数は世界に実在するのではなく,個人の主観的な心の状態を反映しているだけだ。

《コメント》
・ 量子ベイズ主義。

・ どういうことか?はさておき、「波動関数は世界に実在するのではなく,個人の主観的な心の状態を反映しているだけだ」と言われると、衝撃を覚える。主観的な心の状態?ヽ( ̄▽ ̄)ノ

・つまり、コペンハーゲン解釈では、納得感という基準で、おそらくは物理学者も満たされていない。また、波動関数の別解釈としては、「多世界解釈」が先行していたし、SFでの設定ということでは、多世界解釈(所謂、ループ世界もの)は主流と言ってよいでしょう。

・ ここで強調しておく点があるとするとそれは、Qビズムは量子ベイズ主義であり、「ベイズ」とは《ベイズ推計》であり、ベイズ推計は「機械学習」のベースをなす理屈でもあるというところ。α碁以来、《AI》は日常フレーズ化しているけれど、それは機械学習であり、根底にあるのはベイズ推計である、というのがマイAI理解。(経験上、実際にそう)

・ つまり、波動関数の新解釈と、今時のAIとでは、奇しくもベイズ推計を共通項としている、ということが、時事的に記録しておく大きな理由である、となります。

・・・

《コメント・追記》

・ 追記として私見では、ベイズ推計での尤度関数は《モデル》、事前確率は《知識》なので、それは客観的であるけれど、比喩的に主観と言えなくもない。

・ むしろ、我々のあらゆる観測は、「時空」を通じてしか行えないので、真の実在が時空(4次元時空)を超えて存在していると、例えばコンパクト化している他の7つの次元に横断して存在していると、仮に実際にそうであっても、それを直接には感知/観測できず、我々が知るのは時空という「窓」(フィルター)を通してだけだ、ということでは、主観(制約)は免れない、となり、Qビズムでの主観を自分はそう理解している・・各人の主観であっても物理的な制約は共通なので、それは「間主観」であり、言い換えれば客観となります。

・・・

スターウォーズ/最後のジェダイに続く。

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梟通信~最古最遠の巨大ブラックホール観測、ビッグバン直後の存在(*´∀`) @Reuters

忘年会続きで体力消耗中(>_<)

まったりと参りましょう、

最古最遠の巨大ブラックホール観測、ビッグバン直後の存在(*´∀`) @Reuters

https://jp.reuters.com/article/blackhole-idJPKBN1E10M3
(ロイター、「最古最遠の巨大ブラックホール観測、ビッグバン直後の存在に驚き」、2017/12/07/15:45)

>> 地球から約131億光年離れた宇宙に、これまで見つかったうちで最も遠く、最も古いブラックホールが観測された。宇宙誕生まもない時期に存在したもので、この時期における存在は科学者らを驚かせている。

《コメント》
・ ビッグバン直後とは言っても、ビッグバンから約7億年を経過。ただし宇宙が、我々が今見る宇宙に近い姿になったのは10億年前辺りだから、星々の作り出す「構造」という観点では、(宇宙の)誕生期となってくる。

>>このブラックホールは、中に落ち込むガスや塵をエネルギーにして輝く明るい天体「クエーサー」の中心にあり、太陽の8億倍の質量を持つ。成立時期はビッグバンからわずか6億9000万年後で、このころの宇宙年齢は現在の5%程度とみられている。

《コメント》
・ 太陽の質量の8億倍(*_*)

・ 超巨大ブラックホールに相当するが、問題は、それほど巨大なブラックホールが、どうして宇宙の開闢から間もないといってもいい時期に誕生できたか?となる。

・ 星が重力崩壊してブラックホールになって、ブラックホール同士が合体して・・という通常の描像では時間が足りない(*_*)

元ソースのNatureのアブストラクト(↓)。

https://www.nature.com/articles/nature25180
(Nature, An 800-million-solar-mass black hole in a significantly neutral Universe at a redshift of 7.5)

>> Universe was only 690 million years old, just five per cent of its current age, reinforces early models of black hole growth that allow black holes with initial masses of more than about 10000M⊙ (r or episodic hyper-Eddington accretion.

《コメント》

・ 超巨大ブラックホールの《タネ》として、初期(10億年以前)の時点で太陽質量(M⊙)の1万倍のブラックホールの誕生を許容/予見する、そのような理論が正しいはずだとなってくる。(新説を促しながら学説が絞り込まれてくる。)

・ 振り返ると、太陽質量(10M⊙以下)と超巨大質量(100万M⊙以上)のブラックホールの存在は知られていたが、最近分かってきたのは、観測の空白域となっていた中間質量ブラックホール(100~1万M⊙クラス)の成り立ちに、我々が見ている宇宙の構造を解明する手掛かりがありそうだということとなる。

ノーベル物理学賞の受賞対象となった一昨年の重力波の検出では、10M⊙を越える中間質量のブラックホールの連星が重力波源となったことから、その起源を巡り、従来からの「初代星」説(天体起源)とともに、「原始ブラックホール」説(ビッグバン起源)が俄に注目されてきている。 (中間質量ブラックホールの質量レンジの軽い側での論議)

・ また、我々の天の河銀河を含む銀河全般の中心に在る超巨大ブラックホールの起源を巡っては、「初代星」説と「巨大ガス雲崩壊」説が提出されているが、初代星も初期の巨大ガス雲も昔過ぎて(=遠過ぎて) クェーサーになる前には観測できない。 (中間質量ブラックホールの質量レンジの重い側での論議)

・ つまり、全体を俯瞰すると、一般相対性理論が予測する天体の重力崩壊によるブラックホールの誕生は正しいが、それとは別に宇宙誕生の初期(~10億年以前)では、天体に依らない重力崩壊(?)か、それに匹敵する巨大なエネルギーを起源とする未知の現象を視野に置く必要がありそうだ、となってくる。

・・・

一昨年から去年は重力波、今年はハビタブル惑星が天文での大きな話題となったが、来年はHiggs粒子の発見以来、あまり話題に昇らないアップグレード後のLHCでの素粒子探索に再び期待したい。ズバリ、アクシオン(*´∀`)

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関連記事としてScientificAmerican (↓)。Natureの抄録より詳しい。

https://www.scientificamerican.com/article/oldest-supermassive-black-hole-found-from-universe-rsquo-s-infancy/
(ScientificAmerican, Oldest Supermassive Black Hole Found from Universe’s Infancy)

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朝鮮半島情勢~北朝鮮の弾道ミサイル、到達高度4500kmと韓国軍@NHK、ICBM級で確定

粛々と参りましょう、前稿の続き。

韓国軍の合同参謀本部が、今回の飛翔体の到達高度と水平飛距離を発表してきているので、照合しておきましょう。

結論としては、

飛翔時間に基づく推定と到達高度に基づく推計とが整合してくるので、ICBM級が「確定」となります。(核の搭載能力/ペイロードや弾頭の耐久性能は別として)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171129/k10011238901000.html
(ICBM、「北朝鮮弾道ミサイル1発発射、高度約4500キロまで上昇、韓国軍」、2017/11/29/06:10)
>> ミサイルは高度およそ4500キロまで上昇し、距離は960キロ飛行したということで、韓国軍はアメリカ軍とともにミサイルの種類など詳しい情報の収集を急いでいます。

到達高度4500kmと水平飛距離960kmからざっくりと検算すると、
http://keisan.casio.jp/exec/system/1204505768
(放物運動、高度と距離から計算)

(計算上の)初速33868km/h、打ち出し角度86.94度(ロフテッド軌道)、滞空時間1915秒、等を得る。

上記の初速と打ち出し角度45度(最小エネルギー軌道)を用いると、可能な水平到達距離(有効射程)は9000kmに達し(↓)、ICBM級で確定。
http://keisan.casio.jp/exec/system/1204505751
(放物運動、初速と打ち出し角度から計算)

・・・

政治的には当然、物議を醸すでしょう、

中国の特使派遣、米国のテロ支援国家再指定に対する北朝鮮側の回答に相当し、

なおかつICBM保有能力の一端を明示してきたとなるので。

続報を待つ。

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以下、関連情報と続報の追記欄。

ICBMのスペックは満たす。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/大陸間弾道ミサイル

ICBMの種別は不明。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-28/OWBAKH6KLVR401
(Bloomberg、「北朝鮮弾道ミサイルICBM級の可能性-日本政府」、更新日時2017/11/29/07:04 JST)

《コメント》
・ 情報不足にあり、(日韓から断片的な情報が出ているが米国側の分析情報に乏しい) ICBM級であるが飛翔体の種類を確認できていない。火星14型かKN-08型か。

・ 飛距離/有効射程として、火星14型の性能仕様を満たしてきている。その射程は米国西海岸のみならず、欧州をもカバーするため、北朝鮮問題は極東の問題にとどまらなくなる。

https://www.google.co.jp/amp/www.sankei.com/world/amp/171129/wor1711290026-a.html
(産経、「北のミサイル、通常軌道なら射程1万3000キロか、米全土を射程に、米専門家」、2017/11/29/07:03)

《コメント》
・ であるならほぼ全米が射程圏内に入る。KN-80型と確定する場合。飛翔体が何だったのか?はこの点で重要に。

・ 今時点では、公開情報では定かでない。我が国が公表した飛翔時間はKN-80型を示唆するが、韓国が公表した到達高度は火星14型を示唆する。

https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20171129-00078686/
(Yahoo!JSF/軍事ブロガー、「北朝鮮が米本土東海岸に到達可能な弾道ミサイルを発射」、2017/11/29/07:17)

《コメント》
・ 飛翔体のレーダーによる捕捉画像では3個の物体を確認している模様。二段式の弾道弾は火星14型を示唆するが、改良型の可能性もありとの言及@上記記事。

・ 超高度でのロフテッド軌道による試射は、弾頭の耐久性の検証を兼ねつつ、弾頭が着弾/着水できているということは、一定の水準に到達していることを含意している。また、精密な誘導に成功しているとも言えるだろう。(私見)

◆ 政治的な影響。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO2402140029112017000000
(北朝鮮、米本土狙う核ミサイル継続姿勢を鮮明に
2017年11月29日 6:38 )

《コメント》
・ 妥協しないというメッセージとして受け止められるが、同時に交渉上の切り札の確保を急いできたともなる。

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朝鮮半島情勢~北朝鮮が弾道ミサイル発射@NHK、ICBMの試射に成功か?

粛々と参りましょう、

たまたま3時半頃に起きていたのだが、4時前後に弾道ミサイル試射の報道速報が入り、速報では詳細不明のため外電と続報を確認していたのだが、

依然として不可解。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171129/k10011238901000.html
(NHK、「北朝鮮弾道ミサイル発射、韓国の通信社」、2017/11/29/04:14)

《コメント》
・ 情報が錯綜している。試射の兆候をかなり捉えていて、事前の午前3時時点で既に警戒行動に移っていたかにも見える。

・ 飛翔の時間と距離に関する情報がない。当初の速報も同様。

一方で、こちら(↓)。

https://www.google.co.jp/amp/s/mainichi.jp/articles/20171129/k00/00m/030/185000c.amp
(毎日、「北朝鮮弾道ミサイル発射、米韓は種類や弾道を分析」、2017/11/29/04:07、最終更新04:45)

《コメント》
・ 不可解。同時に事実であるなら、大きな驚きを伴う。

・ 飛翔距離の詳細は不明だが、飛翔時間が記されている(↓)。

>> 韓国軍によると、北朝鮮は29日午前3時17分ごろ、西部の平安南道平城付近から東に向かって弾道ミサイル1発を発射した。

>> 日本の国土交通省によると、このミサイルは午前4時11分ごろに、日本海内の日本の排他的経済水域EEZ)に着水した模様だ。

・ もし事実であるなら(↑)、飛翔時間は1時間弱(54分)となる。最大速度を得るまでの加速のロスタイムを考慮しても45分程度の飛翔となる。これは、今夏7月の準長距離弾道弾試射の際のそれの、実に二倍に当たる飛翔時間である。

・ 感覚的には、衛星を軌道に乗せる「第一宇宙速度」には満たないがそれに迫る打ち出し速度に到達し、85度以上の仰角での「ロフテッド軌道」となる。通常の最小エネルギー軌道であれば、米国西海岸に十分に到達し得るとなる。

・ 飛翔時間が事実であれば、ICBMの試射に成功したとなってくる。

続報を待つ。

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以下、関連情報の追記欄。

http://www.asahi.com/sp/articles/ASKCY1324KCXUHBI03C.html
(朝日、「北朝鮮弾道ミサイルを発射、EEZに着水の可能性」、2017/11/29/04:18)

外電より、ニューヨークタイムズBBC。速報の時点では我が国の報道機関によるものより詳しいが、肝心の弾道に関する情報を欠いている。

https://mobile.nytimes.com/2017/11/28/world/asia/north-korea-missile-test.html?referer=https://www.google.co.jp/

https://www.bbc.com/news/amp/world-asia-42160227

・・・

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/宇宙速度

http://keisan.casio.jp/exec/system/1204505808
(カシオ、放物運動、時間と距離から計算)

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朝鮮半島情勢~米国、対北朝鮮で追加制裁、14団体・個人など対象に @日経

粛々と参りましょう、

表題副題は日経のこちらから(↓)であるが、

外電(FT、CNN、Foxなど)で確認すると、テロ支援国家再指定後の米国財務省による追加制裁の第一段は、実質的には中国に対する追加措置となっている。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO23783270S7A121C1000000
(日経、「米、対北朝鮮で追加制裁14団体・個人など対象に」、2017/11/22/04:47)

>> 米財務省は21日、北朝鮮への追加制裁として1個人と13団体、20の北朝鮮の船舶を新たに対象に加えたと発表した。中国の貿易会社などが含まれる。米国内の資産が凍結されるほか、米国人との取引ができなくなる。

外電では例えばFTによるこちら(↓)。
https://www.google.co.jp/amp/s/amp.ft.com/content/1008ec2a-cee6-11e7-9dbb-291a884dd8c6
(FT、US hits Chinese firms as it boosts North Korea sanctions)

>> The Treasury on Tuesday unveiled sanctions on one Chinese individual, 13 entities that included four Chinese trading companies, and 20 shipping vessels that it says are helping North Korea evade UN sanctions.

CNN、Foxも同様(↓)。
http://money.cnn.com/2017/11/21/news/economy/treasury-north-korea-sanctions/index.html

https://www.google.co.jp/amp/www.foxnews.com/us/2017/11/21/us-announcing-new-nkorea-sanctions-after-terror-designation.amp.html

《コメント》
・ 今回のテロ支援国家への再指定の「効果」という点では、これまでに独自の経済制裁を重ねてきているため経済的なものよりむしろ、第一にシンボリックな政治的メッセージとして、第二に第三国へのプレッシャーにあると言えるでしょう。

・ 追加制裁の「余地」という点では、これまでに主要国および国連での追加制裁を重ねてきているため、その余地は小さい。 しかし同時に、米国にせよ中国にせよ、決定的に北朝鮮を追い込むことを避けてきた。つまり、余地に乏しいが、残されている措置は北朝鮮にとって痛打となるものと言えるでしょう。退路を完全に断ってしまうという意味での最終的なそれは、1) 米国の金融制裁での金氏一族の「資産凍結」、2)中国の経済制裁での石油・原燃料の「全面禁輸」、の二つ。

・ 米国による制裁措置は、来週にかけて逐次、追加されてゆく予定にあるが、時間をかけて小出しにしているのは、北朝鮮及び、中国・ロシアなど第三国の反応を見ながらということであり、(外交交渉期間) それでも北朝鮮からの交渉再開/妥協のレスポンスに乏しい、或いは逆に弾道ミサイルの試射(ICBMまたはSLBM)の形で対決の様相を強める場合、制裁は最終的なものへと収斂してゆくでしょう。

テロ支援国家の再指定以降の制裁措置は、これまで温存してきた切り札を切ってくるということなので、相対的に交渉のテーブルに残ってくるのは軍事オプションとなり、いよいよの警戒水域に入ってきたと見ることができるでしょう。言い換えれば、向こう1~2週間が交渉による非軍事的な問題解決の最大の機会となるでしょう。

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