sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

どうなる日露関係~首脳会談、北方領土での共同経済活動は陸上でのハードルがなお高く、限定的な合意か

粛々と参りましょう、

重要な首脳会談とはいえ、少なくともロシア大統領選にメドが立つ「来春」まで、両国関係のめぼしい進捗は「ない」と見ておきましょう。

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http://www.sankei.com/smp/politics/news/170907/plt1709070007-s1.html

(産経、「北方領土共同経済活動、養殖など5項目合意へ、7日に日露首脳会談」、2017/09/7/01:00)

>> 両政府は昨年12月の首脳会談で共同経済活動の実施を決めた後、外務次官級協議を2回開き、6月に官民調査団を北方領土に派遣した。視察結果などを踏まえ実現可能性が高く地元の要望も強い分野を選定した。

《コメント》
・ 日本側の主たる関心がこちら(↑)。

・ 陸上での共同経済活動は未だなおハードルが高く、海上での活動の合意が今回は主。

>> 北方領土の経済活動とは別に、両政府が取り組む経済協力の8項目について、エネルギー開発や医療分野などで約30の合意文書を交わす方向だ。

《コメント》
・ ロシア側の主たる関心がこちら(↑)。

・ 金融制裁がなおも課せられている状況、及び停滞している米露関係の改善の動きから、経済協力の進捗は緩やかなペースが続くとなるでしょう。ロシア側が期待する大型プロジェクト(パイプラインや鉄道、ロシア極東への直接投資等)を欠くという状況。

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https://www.jiji.com/sp/article?k=2017090500867&g=prk
(時事通信、「日露共同活動、合意目指す、安倍首相、6日にウラジオ入り」、2017/09/05/17:55)

>> 両国の法的立場を害さないことが前提となるため、日本側は陸上活動を伴わないクルーズ船による周遊観光やウニ・ホタテの養殖などを提案している。

《コメント》
・ 両国の法的立場を害さないことが前提とあるが、害さないと言っているうちは話が大きく進まない。

・ 昨年末のプーチン大統領来日では、両国の法的立場を害さないという前提がハードルとなり、両国の事務方が合意文書を纏めきれないまま大統領の来日となり、安倍首相とプーチン大統領が二人で文書を詰めて会談が長引いたと聞く(ロシア外務省方面)。

・ 関係者からの直接の伝聞によれば「自由往来」が重要なキーワードであり、従って、それに関わるニュースフローの中身の程度が、首脳会談の進捗の代理指標になる見ておきましょう。

・ 目下の話題である北朝鮮へのコミットは、経済支援の主体が中国であり、ロシアは従の従。中国の姿勢が変われば、従属的にロシアの姿勢が変わると見ておきましょう。ロシアの経済規模はイタリア程度であり、金融制裁下にもあるため、北朝鮮経済に体力的にコミットできない。北朝鮮は中国の「内政問題」、中国次第ということで。

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