sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

朝鮮半島情勢~北朝鮮に丸腰の欧州ミサイル防衛 @ロイター

粛々と参りましょう、

表題副題はロイターの以下の(↓)ヘッドラインからであるが(ママ)、

北朝鮮ICBMが欧州に向かうかどうかはともかくとして、(現実性に乏しいと観るが)

目下の半島情勢が、全く離れている欧州の情勢に、

直接的に響くという構図が確認できる。

https://jp.reuters.com/article/nkorea-missile-europe-idJPKCN1BO0LI
(ロイター、「北朝鮮に丸腰の欧州ミサイル防衛」、2017/09/13/16:04)

《コメント》
・ 米国と旧ソ連との中距離核戦力全廃条約(INF)は、今でもイキで、米露は相互に監視/管理を行ってきた。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E6%A0%B8%E6%88%A6%E5%8A%9B%E5%85%A8%E5%BB%83%E6%9D%A1%E7%B4%84
(Wiki、中距離核戦力全廃条約)

・ INFの中距離核戦力は、実質的にはロシアと欧州(NATO)でのそれを指すと言ってよいが、ウクライナ/クリミア半島での紛争を契機にその形骸化が進み、今やロシアが中距離核の再配備、対抗的にNATOミサイル防衛網(MD)の再構築という流れにあるが、

・ そのMDも、有効な迎撃ミサイルは定義上、INFでの制限の対象に相当するとなるため、一般論として、欧州のMD網は「脆弱」である。それは北朝鮮ICBMに対しても言えることから、比喩として「欧州は北朝鮮に丸腰」となっている。

・ 目下の朝鮮半島情勢は、北朝鮮による核・弾道ミサイルの開発ペースが事前想定を上回ることから、極東アジア地域での、MD網のアップグレードを要請/助長するが、同時にそれは、並行しての欧州でのMD網の再構築のニーズに適(かな)うため、離れた地域の動向が、俄(にわか)に連動性を強めている。


・・・


以下では、ロイターの記事にコメントを付しておきましょう。極東アジアでのロシアの行動は、欧州というファクターを通じて(同意せずとも)理解可能であると言えるでしょう。

>> 北朝鮮の長距離弾道ミサイル開発問題では、早ければ来年にもベルリンやパリ、ロンドンといった欧州の主要都市が射程内に入る可能性が指摘されている。だが、現行の欧州ミサイル防衛システムでは迎撃できないと、外交筋や専門家は警告している。

《コメント》
・ 記事の論旨に相当。

>> また、北朝鮮の弾道ミサイルに対応できる射程距離の迎撃ミサイルの配備を試みれば、1987年に米国と当時のソ連との間で結ばれた「中距離核戦力全廃条約(INF)」に違反する恐れもあると軍事専門家らは指摘する。

《コメント》
・ 具体的には、THAADやイージスSM3ブロック2A相当の迎撃態勢、及び巡航ミサイルの配備はできないとなっている。

>> 北朝鮮の脅威に対するNATOの備えは始まったばかりだ。9月3日に同国が強行した6回目の核実験を受け、NATOの幹部外交官2人は、NATO本部では対北朝鮮防衛をようやく検討し始めたばかりだと、ロイターに明かした。

《コメント》
北朝鮮は全く想定外だが、ロシアは全くの想定内。しかし、INFが制約している。

>> 米国は昨年5月、ルーマニアで陸上型イージス(イージス・アショア)の運用を開始し、イランからの脅威を想定した総額8億ドル(880億円)の欧州ミサイル防衛システムを起動した。欧州ミサイル防衛は、東欧から地中海まで配備された迎撃ミサイルとレーダー網からなり、ドイツにあるNATO基地が指揮を執っている。

《コメント》
・ 中国が、韓国でのTHAAD配備に反対する理由/動機は、全く別にあるが、(委細省略) ロシアが韓国のそれ、そして俄に我が国の陸上型イージスの配備決定に反対する理由/動機は、まさにそこにある。

>> だが北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすには、開発中の新型迎撃ミサイル「ブロック2」が必要だ。このミサイルは、弾道弾をより早期に高い高度で迎撃できる性能を持つ。

《コメント》
・ 我が国のMDでのSM3ブロック2Aへの更新に相当し、北朝鮮による弾道ミサイル開発は、予期されていたが予測を若干超えるため、配備/更新の計画が前倒しされている。SM3ブロック2Aは、最小エネルギー軌道での迎撃高度が1000kmとなるため、INFの中距離弾道ミサイルの定義(500km超~)に抵触するが、新たな可能性としての北朝鮮ICBMに無力となると、イージスBMDのアップグレードに手をこまねいているわけにはいかないとなるのである。

・ また、敵基地攻撃の能力を保有するかどうか?という論議においては、その能力は具体的には、中距離弾道ミサイルまたは巡航ミサイル保有を指す。欧州においてはそれはまさに、INFに抵触する。

極東アジアにおける現実的かつ自然な対処は、欧州及びロシアにとっては、重大な関心事であり、かつ切実な問題となるのである。

続く。

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