sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

梟通信~重力波、米国の偉業と日欧の挑戦(*´∀`) @日経

まったりと参りましょう、

重力波の観測は世紀の大発見ということで、物理学賞の受賞は所与(↓)として、

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171003/k10011166631000.html
(NHK、「ノーベル物理学賞重力波」初観測、米の研究者3人に」、2017/10/03/22:22)

表題副題は数日前の日経(↓)のヘッドラインから。

米国の偉業と日欧の挑戦(*´∀`)

一般的に何に挑戦するのか? と言えば、宇宙の謎の解明であるが、重力波天文学の優位性は、大きく、1) 過去の探索、2)銀河形成の探索、で発揮される。

X線・可視光・電波など電磁波による探索は、宇宙が晴れ上がってからの「物質優勢期」に有効だが、重力波は晴れ上がる前の「輻射優勢期」にも有効である。(過去の探索)

重力波の発生源(の一つ)となっているブラックホールの誕生のメカニズムが、「衝突」を媒介項/共通項に、銀河形成のメカニズムと関わっている。(銀河形成の探索)

【問】 何に挑戦しているのだろう?

【答】 我々の知っている世界(物質優勢期)をもっと知ること、我々のよく知らない(理論上の)世界(輻射優勢期)について知ることである。

・・・

下記の記事は、1)の過去の探索を行うための壮大なプロジェクトの解説だが、そうしたプロジェクトが遂行できるのも、発見という偉業の賜物。

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO21502360V20C17A9000000/
(日経、「ノーベル賞最有力「重力波」、米国の偉業と日欧の挑戦」、2017/09/29/06:30)

プロジェクトの概要(↓)。

>> 初めての観測は地上に設けられた巨大な「重力波望遠鏡」でなし遂げられたが、次のターゲットは宇宙の始まりとともに発生した重力波を捉えることだ。地上の50万倍以上もある重力波望遠鏡を宇宙に打ち上げて観測しようと、欧州や日本などが動き始めている。

《コメント》
・ 壮大だ(*´∀`)

どれくらいの過去(↓)を遡るのか?

>> 宇宙は誕生してから約138億年たったと考えられているが、これまでは宇宙が誕生して約38万年たった後のことまでしか観測できていない。しかし重力波を使えばそれより前の宇宙が観測でき、誕生から1秒以内の様子もわかると期待されている。

《コメント》
・ 宇宙の開闢/ビッグバンから1秒以内(*_*)

・ 宇宙が晴れ上がり始めたのが10万年前(再結合期、物質優勢期~)、その時の宇宙の温度が4000度。十分に晴れ上がったのが約40万年前。

・ 1秒後だと、バリオンに続いてのミューオン対消滅が終わり、電子-陽電子対消滅の時期に相当。その時の宇宙の温度は100億度。

「1秒以内」を観るということは、輻射優勢期の前期のレプトン優勢期を覗くということになる。反物質がまだ潤沢にあった時代。言い換えれば、自然/我々の宇宙は、物質と反物質とで、なぜ《非対称的》なのか?

・・・

幾つかのとても興味深い話題が、並行して伝えられているので記録しておきましょう。

中間質量ブラックホールの探索(↓)。
https://www.jiji.com/sp/article?k=2017100301135&g=soc
(時事通信、「ノーベル賞私たちに力、重力波、日本も観測目指す、梶田さんら会見」、2017/10/03/21:34)
>> さらに「実は最初の観測から、合体したブラックホールが重過ぎるという新たな謎が生まれている。これは一つの例だが、観測が進めばきっと新たな謎が生まれ、それを解くことでより深く宇宙を理解することになる」と話した。

《コメント》
中間質量ブラックホールの謎、である。

・ 恒星質量と超巨大質量の中間のブラックホールはあってもおかしくないが、出来るメカニズムの説明を欠いていて、あるかどうか分からなかったが、一連の重力波の検出に関係したのは、中間質量ブラックホールだったのである。

超巨大ブラックホールの探究(↓)。
http://www.itmedia.co.jp/news/spv/1709/29/news102.html
(Itmedia、「超大質量のモンスターブラックホールの誕生過程解明、東大・京大などの研究グループ」2017/09/29)
>> 宇宙全体ではガスを含む一般的な物質よりも、ダークマター暗黒物質)が多く存在。ダークマターはその重力で集積して高密度な領域「ダークハロー」を形成し、宇宙年齢1億年頃に、その質量は太陽の2000万倍ほどにもなるという。

《コメント》
・ 離れ離れに見える銀河は、バラバラに出来ているのではなく、「合体」して出来ている(らしい)。

・ そしてそれぞれの銀河の中心付近に超巨大ブラックホールがあるとなると、銀河形成の謎は、ブラックホール形成の謎とパラレルになる(らしい)。

中間質量ブラックホールの謎は、銀河形成の仕組みについて、我々の理解が十分でなかったという可能性を示唆する。

4例目の重力波検出の確認(↓)。
https://www.jiji.com/sp/article?k=20170928036232a&g=afp
(時事通信、「4例目の重力波、欧米でほぼ同時に検出、欧州では初」、2017/09/28/11:44)

《コメント》
・ 検出は8月中旬だった。

・ 発生源は軽めの中間質量ブラックホール

・ 三角測量で検出精度を上げている。これを宇宙で/太陽周回軌道上で行うというのが、冒頭の日米欧のプロジェクトであるとなる。

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