sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

朝鮮半島情勢~北朝鮮が東京・ソウル核攻撃なら死者210万人も、38ノースが分析 @Bloomberg

粛々と参りましょう、

表題副題は以下のBloombergのヘッドラインから。

東京とソウルとで死者210万人という数字は、

多いとも言えるし少ないとも言える。

ミサイル防衛網(MD)がワークすればそれはゼロに近いし、逆にワークしなければ、ざっくりと東京で100万人というのは少なく思えるから。

感覚的には、最小ゼロと最大500万人の間を取って200万人であれば、それはリアルにも思える。

どういう前提条件になっているか? が重要である。

・・・

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-10-05/OXCB2K6K50XU01
(Bloomberg、「北朝鮮が東京・ソウル核攻撃なら死者210万人も、38ノースが分析」、2017/10/05/17:49JST)

記事の要旨がこちら(↓)。

>> ◇ 歴史は「合理的行動」をするリーダーの計算違いの例に事欠かない

>> ◇ 北朝鮮は弾頭20-25発とミサイル装着能力があると推定-ザグレク氏

推計の箇所(↓)。
>> 同サイトの新たな分析によれば、北朝鮮がソウルと東京を核攻撃した場合、最大で210万人が死亡、770万人が負傷する恐れがある。

《コメント》
・ 最大で210万人?

・ どういう前提なのか? があまりはっきりしていない。

・ 読売のほうがはっきりしている(↓)。

http://sp.yomiuri.co.jp/world/20171005-OYT1T50089.html
(読売、「北の核攻撃、東京・ソウルで死者210万人試算」、2017/10/05/18:18)

>> 爆発威力がTNT火薬換算で15~25キロ・トンの25発の核ミサイルを2都市に発射したと仮定。東京で約20万~約94万人、ソウルで約22万~約116万人の死者が出るとした。ミサイル防衛による迎撃などを想定し、爆発成功率を20~80%として被害を見積もった。

《コメント》
・ ざっくりと、1) 広島・長崎級+αの火力を想定し、2) 着弾/MD網突破の総合確率がレンジ上限の80%であれば、死者210万人となっている。

元ソース(↓)の「38ノース」ではどうなっているか?

https://www.38north.org/2017/10/mzagurek100417/
(38north、A Hypothetical Nuclear Attack on Seoul and Tokyo: The Human Cost of War on the Korean Peninsula、2017/10/04)

《コメント》
・ 火力を15kトン~250kトンのレンジで7段階に分けている。着弾の総合確率は3通り(20%、50%、80%)。トータルで21通りのパターンになっている。

・ ヘッドラインにある死者210万人、負傷者770万人という数字は、下から三番目の段階での最大値である。また、東京とソウルとで被害は半々である。

・ 先般の6回目の核実験で火力160kトンが確認されている。まだ、その搬送能力に疑問符が付くが(配備前ということ)、160kトンで総合確率80%の場合、東京だけで死者150万人、負傷者600万人である。ソウルも同規模。

・ 38ノースによれば、両都市の人口密度の高さが被害の大きさに繋がっている。一発の被弾でも被害は甚大である。また、想定被害の大きさは、着弾の確率の大小に鋭敏に左右される。

・ 対処としては、陸上型イージス配備とPAC3の面展開で防護密度を上げる、となるでしょう。技術でなく予算をつけるかどうかの問題

・ また、短距離弾道弾を、第一波でダミーで飽和的に射たれると後がないので、第二波を食い止める「敵基地攻撃能力」の保有論議は避けられないでしょう。

・ なお、別稿での政界再編と選挙との関連で言えば、1) 160kトン級新型核の実戦配備、2) ICBMの実戦配備は、地域の地政学的なリスクや被害想定に著しい影響を及ぼすにも関わらず、選挙の「争点」から半島情勢が欠落しているかのような政治的風景は、とても不思議に思う。(投票日の直前に、実はとても危ないんですと安倍首相は訴えてくるのだろうか?)


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