sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

その後のユーロ危機~カタルーニャ指導者ら独立宣言に署名、施行は延期 @BBC

粛々と参りましょう、

グローバルソブリンショック」(2010)を起点とするユーロ危機は、金融危機の側面を沈静化させつつも、EU域内/加盟国内での政治的・社会的軋轢、EU周辺域を含めての移民・難民問題という形でなお燻っている。

緊急避難措置としての金融量的緩和により、資産デフレ/信用収縮を緩衝/緩和してきたが、バブル崩壊からの立ち直りには、経験則として10余年を要するため、事態(政治的・社会的軋轢)の収拾にはなお数か年を要するとの見立てになる。

ー 同じく緊急避難措置としての各国の財政出動が抑制/封印されていることが、政治的・社会的側面での治癒を遅らせる要因となっている。(私見)

ー EU周辺域との間での諸問題(移民・難民問題、国際テロ)も、EU周辺域での投資不足という構造に起因する。(私見)

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表題副題はBBCのこちら(↓)のヘッドラインから。
http://www.bbc.com/japanese/41577609
(BBC、「カタルーニャ指導者ら、独立宣言に署名、施行は延期」、2017/10/11)
>> スペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施した北東部カタルーニャ自治州で10日、カルレス・プッチダモン首相ら州指導者が独立宣言に署名した。しかし、中央政府との対話の可能性を残すため、施行は数週間延期する方針という。

《コメント》
・ 独立賛成が9割に達したとはいえ、5割に満たない投票率のもとでの独立はさすがに政治的に無理でしょう。カタローニャ州論の分裂。

・ 独立を巡り、スペイン政府と州政府が揉めて非難の応酬となっているが、金融・資本市場の反応は落ち着いていて、カタローニャの「独立」を全く織り込んでいないに等しい(↓)。

https://tradingeconomics.com/spain/government-bond-yield
(Tradingeconomics、スペイン10年国債利回り)

・ カタローニャのEU加盟にはスペインが反対して全会一致とはなり得ず、カタローニャの独立はカタローニャ自身にとって経済的に大きな不利なので、自治権拡大に向けての政府との間での条件闘争に収斂し、独立のイベントリスクは小さいと見ておきましょう。


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以下、関連情報の追記。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171012/k10011175431000.html
(NHK、「スペイン政府、カタルーニャ州自治権停止の措置も」、2017/10/12/05:31)

http://toyokeizai.net/articles/-/192234?page=2
(東洋経済、伊藤/ニッセイ基礎研、「カタルーニャが独立を強行するとどうなるか~銀行や企業は混乱回避へ動き出した」、2017/10/09)

https://www.cafeglobe.com/sp/2017/10/065036nyt_catalunya.html?referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F
(Cafeglobe/ニューヨークタイムズ、「カタルーニャはなぜ独立をしたいのか?」、2017/10/05)


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