sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

その後のユーロ危機~オーストリア議会下院選挙、中道右派の政党が第1党に @NHK

粛々と参りましょう、

表題副題はNHKのこちら(↓)から。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171016/k10011178891000.html
(NHK、「オーストリア議会下院選挙 中道右派の政党が第1党に」、2017/10/16/04/37)

>> ヨーロッパ中部のオーストリアで議会下院の選挙が行われ、難民・移民の受け入れの厳格化を前面に打ち出した中道右派の政党が第1党になるとともに、難民に対するさらに厳しい政策を掲げる極右政党も議席を大きく増やす見通しになりました。

>> オーストリアの右傾化が鮮明となり、EU内の亀裂がさらに広がる可能性が指摘されています。

>> (中略) 中道右派で31歳のクルツ党首が率いる国民党が31.7%、中道左派で連立与党の一角だった社会民主党が26.9%、極右政党の自由党が26.0%としています。

《コメント》
・ 「右傾化」とあるが、経済政策の観点では、逆で「左傾化である。

中道右派の国民党が第1党になることよりむしろ、連立政権の相手が、中道左派社会民主党から、所謂極右の自由党へと変わることが重要である。

・・・

関連して、経済政策と社会政策のそれぞれの観点から二つ。

まず、経済政策の観点。

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO22038720Y7A001C1FF8000/
(日経、「欧州にポピュリズム再び、オーストリア、極右と連立か~チェコのトランプ政党も第1党の勢い」、2017/10/9)

《コメント》
・ 「ポピュリズム」という表現についてであるが、移民政策の推進は、低廉な労働力を社会人口異動により確保するという点で、経済政策であるから、それへの反対を、単純にポピュリズムとは括れない

・ ポリティカル・コンパス上で、縦軸が社会的価値の軸(権威-自由)、横軸が経済政策の軸(自由-介入)であるが(↓)、

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ポリティカル・コンパス

・ 縦軸を中心に、自由→権威へのシフトの動きを指して、右傾化・ポピュリズムとメディアは呼称するが、横軸で捉えれば、自由→介入へのシフトであり、左傾化・経済論争である。

・・・

次いで、社会政策の観点。

https://wired.jp/2017/10/04/austria-just-slapped-a-burqa-ban/
(Wired、「ブルカ禁止法、オーストリアでも施行~欧州全体を覆う極右プロパガンダの影響」、2017/10/04)

《コメント》
・ 極右プロパガンダの影響なのかどうかは分からない。効果があるかないか?という点では、効果がないという同紙での見解に同意する。

・ 移民を巡り、英国流かフランス流かの相違ではないのか? そしてオーストリアはフランス流を採用しているということ。

・ 英国流は、所謂、「多文化主義」であるが、同時にそれは地域での棲み分けでもある。(語弊のある言葉を使えば「隔離」である) フランス流は、「同化主義」である。

・ どちらがいいのかよく分からないが、かつてのローマ帝国では、異民族の人口比が小さい地域では隔離政策を、大きい地域では同化政策を採用していた模様である。(どちらがいい悪いというより状況依存なのであろう。)

・・・

最後に、そもそもの発端であるドイツを振り返って見ておきましょう。

http://www.bbc.com/japanese/35289457
(BBC、「移民危機、ドイツ、移民をオーストリアに送還」、2016/01/12)

《コメント》
・ 自国ファーストなのは、トランプ大統領に限らない。メディアから自国ファーストを責めを専ら負わされてしまっているのはトランプ大統領だが。

https://www.cnn.co.jp/m/world/35108534.html
(CNN、「ドイツ与党、難民受け入れ上限設定で合意、年間20万人」、2017/10/10)

《コメント》
・ 上記CNNは与党の姉妹政党の間での調整がついたという話。

・ 急進右派が躍進したドイツ総選挙から1カ月を経過するが、なおも与野党連立政権発足に向けての協議中である。

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