シリア・イラク情勢~シリア最大のオマル油田、米軍支援のクルド族部隊SDFが奪還 @CNN
粛々と参りましょう、
シリア東部のデリゾールでIS(イスラム国)への包囲戦がなおも継続中であるが、
デリゾールのオマル油田を、米軍が支援するシリア民主軍(SDF)が奪還したとの報道(↓)。
既に、ISの物質・人員の補給線となっていたデリゾール県東部のマヤディーン郡をシリア政府軍が制圧しているが、
今回のSDFによるオマル油田の奪還により、ISは経済的にも命脈を断たれたことになる。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.cnn.co.jp/amp/article/35109234.html
(CNN、「シリア最大の油田、米軍支援の部隊が奪還」、2017/10/24)
>> クルド人部隊「シリア民主軍(SDF)」によると、22日にシリア東部デリゾールにある油田からISISの戦闘員を一掃し、油田を「解放」した。被害はほとんどなかったとしている。
>> ISISの戦闘員は現在、ユーフラテス川の東側をSDFに、西側をロシアが支援するシリア政権軍に包囲される形で、数十人がデリゾールに潜伏している。
《コメント》
・ IS戦闘員はユーフラテス川流域の渓谷に脱出、潜伏を余儀なくされていると伝えられている。
・ SDFが進軍・制圧しているユーフラテス川東岸が、シリア最大の油田地帯に重なっていることが確認できる(↓)。
http://ikeuchisatoshi.com/i-1195/
(中東・イスラーム学の風姿花、池内、「地図と解説、イスラーム国の押さえる油田と密輸ルート」)
・ イラク国内ではクルド族とイラク政府が対立し、イラク政府がクルド族支配下のキルクーク油田を包囲・接収するに至ったが、シリア国内においても、政府vsクルド族の類似の構図が生じている。
・ シリア最大のオマル油田をSDF(+米軍)が制圧したことで、シリアの戦後処理は、シリア政府vsクルド族の対立構図に、ロシアvs米国のそれが重なり、容易には進捗し難いとなるでしょう。
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