sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

朝鮮半島情勢~北朝鮮の弾道ミサイル、到達高度4500kmと韓国軍@NHK、ICBM級で確定

粛々と参りましょう、前稿の続き。

韓国軍の合同参謀本部が、今回の飛翔体の到達高度と水平飛距離を発表してきているので、照合しておきましょう。

結論としては、

飛翔時間に基づく推定と到達高度に基づく推計とが整合してくるので、ICBM級が「確定」となります。(核の搭載能力/ペイロードや弾頭の耐久性能は別として)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171129/k10011238901000.html
(ICBM、「北朝鮮弾道ミサイル1発発射、高度約4500キロまで上昇、韓国軍」、2017/11/29/06:10)
>> ミサイルは高度およそ4500キロまで上昇し、距離は960キロ飛行したということで、韓国軍はアメリカ軍とともにミサイルの種類など詳しい情報の収集を急いでいます。

到達高度4500kmと水平飛距離960kmからざっくりと検算すると、
http://keisan.casio.jp/exec/system/1204505768
(放物運動、高度と距離から計算)

(計算上の)初速33868km/h、打ち出し角度86.94度(ロフテッド軌道)、滞空時間1915秒、等を得る。

上記の初速と打ち出し角度45度(最小エネルギー軌道)を用いると、可能な水平到達距離(有効射程)は9000kmに達し(↓)、ICBM級で確定。
http://keisan.casio.jp/exec/system/1204505751
(放物運動、初速と打ち出し角度から計算)

・・・

政治的には当然、物議を醸すでしょう、

中国の特使派遣、米国のテロ支援国家再指定に対する北朝鮮側の回答に相当し、

なおかつICBM保有能力の一端を明示してきたとなるので。

続報を待つ。

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以下、関連情報と続報の追記欄。

ICBMのスペックは満たす。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/大陸間弾道ミサイル

ICBMの種別は不明。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-28/OWBAKH6KLVR401
(Bloomberg、「北朝鮮弾道ミサイルICBM級の可能性-日本政府」、更新日時2017/11/29/07:04 JST)

《コメント》
・ 情報不足にあり、(日韓から断片的な情報が出ているが米国側の分析情報に乏しい) ICBM級であるが飛翔体の種類を確認できていない。火星14型かKN-08型か。

・ 飛距離/有効射程として、火星14型の性能仕様を満たしてきている。その射程は米国西海岸のみならず、欧州をもカバーするため、北朝鮮問題は極東の問題にとどまらなくなる。

https://www.google.co.jp/amp/www.sankei.com/world/amp/171129/wor1711290026-a.html
(産経、「北のミサイル、通常軌道なら射程1万3000キロか、米全土を射程に、米専門家」、2017/11/29/07:03)

《コメント》
・ であるならほぼ全米が射程圏内に入る。KN-80型と確定する場合。飛翔体が何だったのか?はこの点で重要に。

・ 今時点では、公開情報では定かでない。我が国が公表した飛翔時間はKN-80型を示唆するが、韓国が公表した到達高度は火星14型を示唆する。

https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20171129-00078686/
(Yahoo!JSF/軍事ブロガー、「北朝鮮が米本土東海岸に到達可能な弾道ミサイルを発射」、2017/11/29/07:17)

《コメント》
・ 飛翔体のレーダーによる捕捉画像では3個の物体を確認している模様。二段式の弾道弾は火星14型を示唆するが、改良型の可能性もありとの言及@上記記事。

・ 超高度でのロフテッド軌道による試射は、弾頭の耐久性の検証を兼ねつつ、弾頭が着弾/着水できているということは、一定の水準に到達していることを含意している。また、精密な誘導に成功しているとも言えるだろう。(私見)

◆ 政治的な影響。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO2402140029112017000000
(北朝鮮、米本土狙う核ミサイル継続姿勢を鮮明に
2017年11月29日 6:38 )

《コメント》
・ 妥協しないというメッセージとして受け止められるが、同時に交渉上の切り札の確保を急いできたともなる。

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