sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

梟通信~ジャコメッティ、最後の肖像(≧∇≦)b @映画ドットコム

遅ればせながらの謹賀新年、まったりと楽しみながら参りましょう、

ジャコメッティ、最後の肖像(≧∇≦)b @映画ドットコム

上映は一昨日から(↓)。
http://eiga.com/movie/86691/critic/
(映画ドットコム、「ジャコメッティ、最後の肖像」、映画評論・批評、2017/12/12)

ジャコメッティの彫刻は変なので気にいって久しいが、その展覧会は昨年央に六本木の国立新美術館で開かれていて、上記の「最後の肖像」は、展覧会の掉尾を飾るとなるでしょう、

しかも著名な彫刻ではなくて、相対的にマイナーな肖像画と来ている(*´∀`)

更にしかも、映画の冒頭で、いきなり「今の時代は肖像は写真で撮れるので、映画でやっていることは無意味です」という解説が入っているらしい(´・ω・`)

まだやっていない新年会のネタの仕込みとして、ますます観たくなる(≧∇≦)b

・・・

美術ネタとして昨年末に聞こえてきたのが、こちらであった(↓)。

http://www.afpbb.com/articles/-/3154396
(AFP、「いかがわしい、バルテュス作品、展示に非難で署名9000人、NY」、2017/12/06/19:48)

いかがわしい?(´・ω・`)

何を揉めているか?と言えば、こう(↓)揉めている。

>> 「夢見るテレーズ」はバルテュスの1938年の作品で、片足を椅子に持ち上げ、スカートが太ももまでめくれ下着が見える姿勢で座る少女が描かれている。

>> しかし映画界の大物ハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクシュアルハラスメント性的嫌がらせ)疑惑をきっかけに国内で著名人の性的不品行に対する非難が高まっていることもあり、同作品を展示するのは不適切だとする声が高まっていた。

(@_@)

セクハラ? ポリコレ?

しょうがないな~(´・ω・`)

それでは、ジャコメッティの観点で、混乱(笑 の終息を図っておきましょう。

AFPの報道写真で注目できるのは、批判されているバルテュスの絵画(夢見るテレーズ)の左右に配置されているジャコメッティの彫刻である。(注記、AFP以外の報道ではジャコメッティの彫刻は一切写っていない)

向かって右側が「ヴェニスの女」、同じく左側が「猫」。

翻って批判の対象となっているバルテュスの「夢見るテレーズ」を観ると、

少女の下着ばかり注目されているようだが(笑 そうではなくて、

少女の足下に猫・・上に組んでいる少女の腕と足下の猫とが「矩形(くけい)」をなすという造形。

メトロポリタン美術館の美術員も(当然)分かっているから、生前にバルティスと意気投合していたジャコメッティの作品を対称/対照させて左右に配置している(はず)。

少なくとも言えることは、下着(や、バタイユ的なエロティシズム)が主題ではありません(≧∇≦)b

むしろ対極的な「宗教画」の範疇でしょう。

私見として、少女の組んでいる腕を上辺、ミルクを飲み横たわる猫を下辺とするそのやや歪(いび)つな矩形(くけい)の造形は、

オリオン座」である(↓)、と観ておきましょう。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/オリオン座

https://www.astroarts.co.jp/alacarte/index-j.shtml
(アストロアーツ、2018年1月の星空)

矩形の解釈を言葉で連ねると、a) 天の赤道の36分割(デカン)で、オリオン座に重ねられるのはエジプトのオシリス、b) そのオシリス神を再生させたのが女神であるイシス神であり、イシス神は隣接するデカンのおおいぬ座シリウス、(低緯度地域ではシリウスがメジャー、逆に高緯度地域では北極星がメジャー)

一方、その矩形(夢見るテレーズ)に対置されるジャコメッティの彫刻は、c) 右側のヴェニスの女は、オリュンポス神のアフロディーテ、つまりウェヌス/ヴィーナス、ヴェニスの女の足下の「台座」はヴィーナスの誕生(ボッティチェリ)での貝殻、d)左側の猫は、エジプト神に類比すると女神バステトであるが、それはギリシャでは、アフロディーテと同一視される。

絵画と彫刻の組み合わせのトータルとして、《女神》がメタファー/暗喩されているが、 (マイ解釈)

聖母マリア的な表象は、旧大陸の文化の基層に属していて、一方で新大陸(プロテスタントの新国家である米国)では、歴史的にそうした基層を欠いている/拒絶しているから(断絶への航海)、そこでは旧大陸の文化の基層が図象の解釈の背景文脈としてワークしていない。

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以下、ジャコメッティの関連情報の追記。

http://eiga.com/movie-theater/86691/13/130102/3006/
(映画ドットコム、TOHOシネマズシャンテ有楽町、ジャコメッティ最後の肖像画)

http://eiga.com/news/20180102/4/
(同上、「ジャコメッティ財団が全面協力、巨匠のアトリエを完全再現!本編映像公開」、2018/01/02)

《コメント》
・ 都内での上映は有楽町の1館のみ。マイナーな力作(*´∀`)

https://www.cinra.net/interview/201801-giacometti
(cinra.net、「完璧主義者ジャコメッティはどんな人?辛酸なめ子らが語る、ジャコメッティ最後の肖像」、2018/01/04)

《コメント》
・ 映画の感想が記されているが、そこに内容が記されていても普通の映画と違ってネタバレになっていない(笑

https://www.msz.co.jp/book/detail/07051.html
(みすず書房、「ジャコメッティの肖像」、ジェイムズ・ロード、2003)

《コメント》
・ 映画の原作。展覧会のせいなのかマイナーなためなのか、品切れ。

https://roppongi.keizai.biz/phone/photoflash.php?id=1866
(六本木経済新聞、ジャコメッティヴェネチアの女IーIV」)

《コメント》
・ 点在する「ヴェネチアの女」(ヴェニスの女)を集めて展示した時の様子。

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