sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

墨烏賊墨の株式日記~米規制当局、VIX指数の不正操作巡り調査に着手@ロイター

表題副題はロイターから(↓)。ロイターの元ネタはWSJ

https://jp.reuters.com/article/usa-stocks-volatility-wsj-idJPKCN1FX2ZF
(ロイター、「米規制当局、VIX指数の不正操作巡り調査に着手=WSJ」、2018/02/14/07:22)

URL省略。(注記:上記の記事の後に記事が掲載されています)
(ロイター、「VIX指数に市場操作があったとの告発、米当局に提出」、2018/02/14/00:31)

ポイントは2箇所。

順不同でまず、被害推定。

>> 前日には、ワシントンに拠点を構える法律事務所が規制当局に対し、VIXが不正操作されたことによって投資家が数十億ドルの損失を被ったとする書簡を提出している。

《コメント》
・ 被害推定を数10億ドルとしている。過去の金融危機とは桁が二つ、三つ違うので、「比較軽微」であると言えるでしょう。

・ 但し、VIX指数を参照しながらポジションの大きさを調整するので、その参考指数が大きくぶれることにより、「間接的」に影響が拡がってしまうし、そうなってしまったとなる。

次いで、操作の手法。

>> この匿名の人物は、高度なアルゴリズムを持つトレーディング・ファームは、実際に取引を行ったり資本を活用することなくS&Pのオプションにクオートを提示するだけでVIXを操作することが可能だと指摘している。

《コメント》
・ 操作が何を意図したかと言えば、市場の変動率(ボラティリティ)の「代理指標」であるVIX指数の、その変動率を抑え込むことで、1) 市場が安定していると見せかける、2) その上で、市場が安定していることに賭ける商品を販促する、となり、売られていた商品がインバースVIX指数。

・ 告発を受けての金融当局による捜査がどう進むのか分かりませんが、操作自体が行われてきたことは間違いない、と観てよいでしょう、なぜならば、VIX指数の「異常」な変化はグラフを見れば一目瞭然であるから(↓)。

https://nikkei225jp.com/data/vix.php
(恐怖指数日経平均等、比較チャート)

・ 直近の2年足(2y)で見ると、VIX指数の水準が、1) 英国EU離脱国民投票(2016/06/23)、2) 米国大統領選挙(2016/11/08)当時の水準を大きく超えてしまっていて、通常であれば起こり得ないことが起きてしまっている。(起こり得ないはずの動きなので、異常。)

・ 従って、異常はVIX指数それ自身に起因し、それに対する操作が原因であるとみなすのは、妥当でしょう。

・ なお、VIX指数は市場のリスクを測る一つの手段であるけれど、一般に市場リスクは資産価格モデルでの「要求リスクプレミアム」に反映される。長期金利の漸進的な上昇は「事業スプレッド」(EVAスプレッド)を経由して資産価格に影響を及ぼすけれど、極端な価格変動は必ず要求リスクプレミアムの伸縮に因ります。

・ 今回の「インバースVIXショック」は、被害総額は小さくとも、要求リスクプレミアムを直撃するため、短期的に間接的な影響を強く及ぼした、となるわけです。

暴落の性質は、信用収縮(インターバンク市場の機能停止)を伴ったリーマンショック型では全くなく、金利上昇懸念が群衆心理とプログラムトレーディングで増幅されたブラックマンデー(1987/10/19)に似かよっている・・従って、暴落は「チャンス」と観ますが、だらだら下げが続くと、精神衛生によくないな~(^^;;  


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