sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

極東アジア情勢~中国のレバレッジ解消ペース、決めるのはトランプ氏か @Bloomberg

粛々と参りましょう、

表題は先月末のBloombergから(↓)。

米中首脳会談をいよいよ明日に控え、そこでの個別の交渉は、項目が多岐に及び見通し難くなるので、

基本的な問題は何なのか? について、予め明示しておきましょう。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-10-25/OYCZD26JTSE801
(Bloomberg、「中国のレバレッジ解消ペース、決めるのは習氏ではなくトランプ氏か」、2017/10/25/12:56JST)

要するに、中国が抱える「構造問題」を、中国が米国の経済成長に便乗して解消しようとしてくることに対して、トランプ政権は強い難色を示しており、看過せずにディールで臨んでくる、ということ。

既報の通り、近年の著しい貿易不均衡は、仮に同盟国であっても強い風当たりが生じておかしくないが、(1980年代の我が国に対して、或いは直近でのドイツに対してのように)

中国の場合は、北朝鮮問題の処理において最近まで非協力的、制海権において米国と競合しているのだから、貿易・経済面での摩擦は、なおのことと言えるでしょう。

不均衡は、従って構造問題は、対外的には米国との貿易収支に顕著であるが、

上記のBloombergでの指摘は、内政面での不均衡であり、民間非金融部門での「過剰債務問題」(=レバレッジ)である。(そして過剰債務問題は、貿易収支の不均衡と不可分な関係にある。)

その過剰債務問題について、やや詳しく報じていたのが今夏のこちら(↓)であった。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-09/OUEFGV6K50XS01
(Bloomberg、「中国で膨れ上がるレバレッジという原罪~政府の規制効果薄」、2017/08/09/14:00)

観点をGDPに切り替えると、中国経済が抱える構造問題がそこにも映し出される(↓)。
ー 資金循環表(ストック)があればよいが見つからないので、ストックの成果であるGDP構成比(フロー)で代用する。

http://www.brics-jp.com/china/gdp_utiwake.html
(BRICS辞典、中国のGDP内訳)

中国のGDPは「総固定資本形成」の割合が、他国と比べて突出して多い。

端的にはそれは、過剰設備投資であり不動産投機であるが、過剰設備が輸出ドライブ→貿易収支不均衡、不動産投機が民間非金融部門の過剰債務と、それぞれ結び付いている。

それらの構造問題を是正しようという交渉が、今回の米中首脳会談の米国側の目的(の一つ)であるから、それは(歴史的に)大いに注目に値するとなるわけである。

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