墨烏賊墨の株式日記~フェイスブック情報流出、データ主導時代の副作用@日経
表題副題は下記の日経から(↓)。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO28347810Q8A320C1000000
(日経、「フェイスブック情報流出、データ主導時代の副作用、5000万人分、米大統領選に影響か」、2018/03/20/10:53)
個人情報の流用の是非云々ではなく、株式日記(金融・経済)の観点でどう観るか? と言えば、
個人情報が政治的なターゲットマーケティングに利用されていたということは、一部で既に知られていた事実であり過去のものであるにせよ、(後述)
逆に、なぜ、今のタイミングで俄(にわか)に俎上に載せられてきているのか? と考えれば、強い推測として11月の《米国中間選挙》という背景・文脈にあるからであり、
従って、結論(評価)として、株価調整・規制観測等は、一過性ではなく向こう半年程度燻り続ける、となるでしょう。(ボラティリティの高いボックス相場)
また、中間選挙の帰趨として、米国民主党の下院での逆転(上下院の捻れ)が視野に入ってくると、2016年11月以降のトランプ相場は終わる、と観ておきましょう。 (大勢下降相場入り)
・・・
上記の冒頭での「一部で既に知られていた事実であり過去のものである」という点について、補足しておきましょう。
一部で既に知られていたというのは、こちらにある通り(↓)。
https://www.gizmodo.jp/amp/2017/02/trump-win-with-big-data.html
(Gizmode、「英国離脱とトランプ当選。世界をひっくり返したビッグデータ会社を畏怖せよ」、2017/02/13/12:12PM)
選挙対策チームが機能していた大統領選挙戦の当時にあっては、(個人情報の流用の倫理的な問題を脇に置いて) データサイエンスのエッジを駆使することで、敗戦の形成を逆転に導いていった様子というものが十分に窺える。
一部で既に知られていたわけであるけれど、それ(データサイエンスを駆使していたということ)が、巷で十分に認知されていなかったとすればそれは、
大統領選以降、その結果について「ロシアの介入疑惑」の方に、メディアが専ら焦点を合わせたからだ、となるでしょう。
ロシアによる干渉が選挙戦にどの程度の影響をもたらしたのか? は定かではない/よく分からないが、
私見ではそれは、決定的では全くない。
大統領選で決定的な影響を土壇場でもたらしたのは、誰がどう見ても、投票日の1週間前でのヒラリー・クリントン氏の訴追を巡るFBI内部の混乱にあったと言えるでしょう(↓)。
https://www.google.co.jp/amp/jp.mobile.reuters.com/article/amp/idJPKBN13111V
(ロイター、「クリントン氏の訴追求めず、米FBIがメール再捜査で結論」、2016/11/07/02:09PMJST)
また、それ(投票直前のFBIの混乱)が、いかに大きな影響を世論形成に与えたのかも、「事実」として明らかと言ってよい(↓)。
https://projects.fivethirtyeight.com/2016-election-forecast/
(fivethirtyeight、2016-election-forecast/)
ロシアの選挙介入疑惑報道で、短期記憶が上書きされてしまっているけれど(笑、当時のトランプ陣営の勝因は何だったのか? それは大きく、1) 直前でのFBIのへま、2) データサイエンスを駆使したターゲットマーケティングにあったと言えるでしょう。
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冒頭での本件(フェイスブック情報流出)は、決して新しい話ではないけれど、上書きされてしまっていた故に再び露出すると鮮度を得て、中間選挙という日程がある故に、しばし鮮度を保つ、という見立てになります。
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