朝鮮半島情勢~火星12型ミサイルの日本上空通過により、「敵地攻撃能力」の早期検討へ
粛々と参りましょう、
火星12型ミサイルの日本上空通過により、
「敵地攻撃能力」の早期検討へ 。
・・・
まず、
北朝鮮が昨日のミサイル試射につき、新型弾道ミサイル「火星12」の訓練であるとの発表(↓)。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170830/k10011118621000.html
(NHK、「北朝鮮 「火星12型」の発射訓練実施と発表」、2017/08/30/06:42)
若干遡れば、
グアムへの威嚇試射の予告に際しては、仮に、中距離弾道ミサイルが我が国上空を飛翔するということが起きた場合、
単に陸上型イージスの配備にとどまらず、「敵地攻撃論」へと議論が進む可能性が指摘されていた(↓)。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50794358.html
(海国防衛ジャーナル、「北朝鮮:中距離弾道ミサイル「火星12」をグアム近海へ発射すると警告」、2017/08/10/19:30)
>> 金正恩体制発足後に相次いでいるミサイル実験による脅威増大に対し、すでに我が国ではイージス・アショアの導入検討などを始めていますが、再び自国上空を弾道ミサイルが通過した場合、 敵基地攻撃論を含めて議論が過熱するかもしれません。
そして実際に、
そうした状況が今回発生したわけであるし、
1)PAC3を面的に展開するには、兆円のオーダーでの予算措置を必要とする。(できるが予算制約が働く)
2) 陸上型イージスの配備で全国を面的にカバーできるが、迎撃網は全国的に2層とはならない。(軍事目標となる地域の優先順位付けとして、実質的に2層に近いとは言えるが)
という事情を勘案すれば、
リアクティブに「迎撃網を厚くする」という対策と並行して、プロアクティブに「攻撃力を削ぐ」(敵基地攻撃能力の保有)という議論/対策が起きておかしくない。
・・・
http://www.sankei.com/smp/world/news/170829/wor1708290112-s1.html
(産経、「現行のMD強化限界に、敵基地攻撃能力、迎撃態勢強化の早期検討も」、2017/08/29/21:15)
《コメント》
・ 現行のMD強化限界に、とあるが、MDという体系に限界にあるのではなくて、北朝鮮側の開発ペースが想定を上回ってきたことで、相対的にその整備に遅れが生じているということである。
・ 現行のMD強化とは、イージスBMDでのSM3ブロック2Aへの切り替えを指すはずだが、それだけでは足りなそうなので、陸上型イージスの配備前倒しになる。
・ 敵基地攻撃能力の保有を巡る論議は、起こるであろうし、行うべきである。> 国会
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