sumiikasumiの日記

とりあえず始めたところです

梟通信~マクロ経済指標、AI予測どこまで正しい? @日経

まったりと楽しみながら参りましょう、

表題副題は日経のこちら(↓)のヘッドラインから。

商売の要素が入るので、2-3年もしないうちにコンセプトのBuzzワード化が進むが、実態として、「ビッグデータ」の範疇にある話である。

また、ビッグデータにせよAIにせよ、様々なアプローチが様々なレベルであるため、多様な試みを否定しないけれど、逆に、コンセプトが埋没してしまうことが起きる。

・・・

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDZ31H1R_R30C17A8000000/
(日経、「マクロ経済指標、AI予測どこまで正しい?」、2017/8/31/10:53)

日経は読者登録が要るので、手間を省いて、概要と何をしているか? を最小限引用して、コメントを付けておきましょう。

概要(↓)。
>> 足元の景気を占ううえで重要なマクロ経済指標の予測の分野で、人工知能(AI)が奮闘している。経済産業省がAIによる指標予測の公表を始めて2度目となった31日発表の7月の鉱工業生産指数(速報値)は数値こそ外したものの「低下する傾向は当てた」(経産省)。

《コメント》
・ 所謂、人工知能(AI)は、所謂、ビッグデータでの「学習アルゴリズム」の部分を指すので、コンセプトとしてはビッグデータの範疇でのこと。

・ 応用の対象となっている鉱工業生産指数はこちら(↓)。指数を構成する業種/業態別の対象品目が約500項目に及ぶこと、またそれぞれについて、SNSでの口コミを対象にデータ収集することから、ビッグデータの範疇にある。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/gaiyo.html#cont2
(経産省、統計の概要、鉱工業生産指数)

・ 私見としては、予測が当たることよりも、予測が外れることのほうに意味があると思う。予測が外れてしまうところに《驚き》が伴うからであり、またそれは、新たな何かが起きているかもしれないという《前兆》を示すからである。

鉱工業生産指数を構成する各項目を対象に、数量の増減や価格の上下動のモメンタム(方向と強さ)を定性的に捉え、バックテストで定量化して(教師あり学習に相当)、個々に差分を求め、手続き通りに合算するというプロセスを採っているのでしょう。(未来の挙動は今現在で全て決まる、過去の挙動に依らないという「マルコフ過程」のモデルでもある)

・・・

何をしているのか? がこちら(↓)。

>> 経産省は7月19日から野村証券などに委託して開発したビッグデータやAIを駆使した3つの経済指標の公表を始めた。その1つがツイッター上のつぶやきなどから鉱工業生産指数をAIで予測する「SNS×AI 鉱工業生産予測指数」だ。

>> ほかには人々の景況感を推測する「SNS×AI 景況感指数」、家電量販店のPOS(販売時点情報管理)データから販売動向を日次で把握する「POS 家電量販店動向指標」も公表している。

《コメント》
・ SNSxAIが、ここでのアプローチの特徴を示す。大量データを処理するプラットホーム(実行基盤)に、どういうDBを繋ぐか? にアプローチの違いが現れる。

・ 実用上の目的として、アプローチは大きく、プロモーション(企画・宣伝)とプロテクション(危機管理)に分かれる。プロモーションを志向すると、データ収集源を拡げて外部DB(典型的にSNS)に求めるとなる。

ビッグデータのコンセプトは、「特徴抽出」であり「意味理解」である。典型的にクローズドなDB(企業内DBや学術DB)を読みにいく場合には、そこに「不正」であったり、「画期性」であったり、目立たないが重要性を秘める《兆し》を捉えようとする顕著な特徴が現れる。

・ 上記を言い換えれば、「べき分布」の端に注目するとなる。起きることは稀(まれ)であるが、起きた場合の影響が著しいというロング&ファットテールの検出。金融・資本市場であれば「ブラック・スワン」(↓)に相当するものである。

https://www.ifinance.ne.jp/glossary/souba/sou203.html
(金融経済用語集、ブラック・スワン)

続く。

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